こんにちは。
岐阜県羽島市の認定補聴器技能者の山村です。
今回はよく言われる補聴器からする雑音について解説します。
補聴器の相談を受けていると、補聴器を買った友達から
雑音がして使えないという話を聞いたという方が
いらっしゃいます。なぜ雑音がするのか。
①本当に補聴器なのか?
実は集音器や助聴器を使用している可能性もあります。
集音器などは音を一律で大きくします。しかし雑音抑制や
ハウリング抑制が付いていない、もしくはついていても
弱い。はたまたきちんと耳に合わせて耳栓を選択できていない。
そもそも調整ができない。という物が多くありますが、
形は補聴器と瓜二つです。現在の補聴器は安くても10万前後。
1万円で買ったなどはまず補聴器ではないので要注意です。
②ハウリングによるピーピー音
補聴器を電池を入れたまま耳から出し入れするとピーピーという
音がなります。これはハウリングもしくはフィードバックといいます。
耳栓や補聴器に隙間が多いと鳴る可能性が高くなります。
原理としては補聴器から出た音が耳から漏れ、
その音を補聴器のマイクが広い増幅し、さらに漏れた音を拾い増幅…
を繰り返すためピーピーなってしまいます。
解決策としては、
1.きちんと耳穴にあった耳栓を選ぶ
既成の耳栓の場合はサイズがありますので隙間ができにくい
耳栓のサイズを選びましょう。
2.オーダーメイド耳栓にする
耳穴の形状や使用環境によっては既成耳栓ではハウリングを
抑えることが難しい場合が多いです。オーダーメイド耳栓を使用し
自分の耳にあった耳栓にすることでハウリングリスクを
グッと減らす事が可能です。
3.隙間を埋める
耳穴補聴器にはベントと呼ばれる空気穴が開いています。
ココから音が漏れる場合があるのでベントを塞ぐことも一つの策。
また歳をとると耳穴の形状が変化していきます。
補聴器作製から5年も経つと大きく変わっているため、
隙間を埋める肉盛りや有料にはなりますがシェルの再作がオススメです。
③実は聞こえる事が正常な生活音
実は誰とも話していない静かな環境でも、無音ではありません。
耳のいい人なら自然と聞こえている環境音がたくさんあります。
エアコンや冷蔵庫、パソコンなどのモーター音など、
これらは耳のいいひとなら常に聞こえている音。耳の良い人は
「聞こえることが当たり前」の状態で24時間、普通に生活しているため
無意識に雑音を無視しています。
難聴になった方が初めて補聴器を使うと、これら生活環境の音を
久しぶりに聞くことになり、最初の一週間程度は
とても気なってしまいます。補聴器からの音に慣れると次第に
気にならなくなります。
他の生活音としては、お茶碗を洗う音、トイレの流す音、歩く音、
扉を閉める音、換気扇の音など、車のロードノイズなど
生活してたら当たり前に聞こえる音なのです。
ただし不愉快さが気になる場合は、すぐに購入店に相談しましょう。
④故障
補聴器を長年使用したことによる経年劣化の故障は
音が出なくなったり、音が小さくなったりします。
異音がすることは稀ではありますが、音に違和感を感じたら
早めにお求めの補聴器販売店へ相談しましょう。
まとめ
最新の補聴器はハウリング抑制も強く、雑音抑制も強いので
お客様がおっしゃる雑音=生活音の事が多いです。
耳の良い人に聞こえている音は実は必要な音が多いので
適切な調整をして、適切な音量で補聴器に慣れていきましょう。
それではまた次回。