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2022.06.21 | 補聴器

補聴器の雑音てなに?雑音と雑音抑制機能について解説

こんにちは。

岐阜県羽島市の認定補聴器技能者の山村です。

補聴器のご相談を受けているとよく聞くセリフが、

「知人が補聴器をしていて雑音がうるさくて使えないと言っていた。」

これベスト5に入るくらいよく聞きます。

そもそも雑音ってなんでしょうか。

そのあたりを解説していきます。

雑音抑制とは

辞書で雑音の意味を探すと「不規則で不愉快に感じられる音。うるさい音」

と出てきます。まさに雑な音ですね。そんな雑音を抑制する機能が

補聴器にはあります。メーカーにより呼び方は異なりますが、

雑音抑制機能(騒音制御・語音強化システムなど)と呼ばれます。

こう聞くと、皆さんは雑音が入らなくなった静かな状態で人の声だけが

聞こえるなどと思いがちです。あたかも”雑音が入らない”と

期待をしてしまいますが、雑音を”抑制”するのであり、

消し去るわけではありません。

下の図のように、中央上の実際の音を、会話音声(赤)と、雑音(黒)に分け

雑音の方を抑えることで、中央下の図のように黒い部分が少なくなるのが

雑音抑制の簡単な仕組みです。

雑音には2種類

雑音には定常音(一定の音で持続的な音)という、エアコンなどの

モーター音のように連続的で一定の音の強さで補聴器に入力される音と

人ごみやレストランなどの周囲のガヤガヤした雑音(変調的な雑音)と

二種類あります。先に挙げた定常音の雑音は比較的容易に抑制でき、

安価な機種にも搭載されていますが、変調的雑音に対しては、

高度な検出方法が必要になるため高額な機種出ないと対応が難しくなります。

その音は本当に雑音なのか?

上記のように補聴器は雑音とよばれるものを抑制する機能がありますが、

その音は雑音なのでしょうか。そもそも難聴の方はエアコンのモーター音などの

小さい音は聞こえておらず、一定の大きい音でやっと聞こえる程度。

そんな中、補聴器をする事で今まで入ってきた音が入ってくるので、

雑音がするという表現になるのですが、その多くは実は「生活音」なのです。

子供がソファーで跳ねる音や扉が閉まる音、歩く音、水を流す音など、

健聴者の耳には届いています。これらの生活音と会話を脳が判断し、

生活音へのフォーカスを少なくし会話にフォーカスするという高度なことを

やっています。しかし、補聴器の付け始めは、この生活音と会話が混在し

聞きたい言葉が生活音に邪魔されてしまうのです。この聞きたくない「生活音」

は補聴器装用者にとっては「雑音」と思いがちですが、健聴者にとっては

普段から聞きなれている音です。聞きなれているからこそ、

聞きたい会話に集中しやすいように脳が生活音と会話を区別してくれます。


このように補聴器自体から発生するノイズや雑音というものはほとんどなく、

実際に存在する音が、補聴器の音の増幅に慣れていないためにうるさく感じる

というのが”雑音”と呼ばれるモノの正体でした。

個人差はありますが、補聴器を着けていただき色々な音を聞くことで、徐々に

生活音が気になりにくくなります。

あまりにも音が大きすぎてうるさい場合は調整が必要ですので、

ご購入いただいた補聴器販売店にて相談してみてください。

それではまた次回。