こんにちは。
岐阜県羽島市の認定補聴器技能者の山村です。
今回は命題の通り、突発性難聴について解説します。
突発性難聴とはその名の通り、突然聞こえが悪くなる耳の病気です。
一般的には片耳のみに発症し、一度発症すると再発することはないと
言われています。聞きにくさの度合いは軽度から重度まで人によって
さまざまです。
突発性難聴の治療は時間が命!
突発性難聴は発生から時間が経過した場合改善は難しくなってしまいます。
現在でもどのくらい早ければ回復可能なのかは議論が続いていますが、
最新の論文では、治療開始が発症から8日以上になると、聴力が改善しない
人が63.2%になると報告されています。また他の論文では50歳以上の場合
発症から4日以上になると改善率が低下するとも。
突発性難聴の治療を受けるのは、早ければ早いほど良いのは間違いありません。
突発性難聴の症状(前兆)
突発性難聴は難聴だけでなく、他の症状が発生し、そちらが先に気になる事も。
初期症状に気づいたときに、見逃さずすぐ耳鼻咽喉科を受診しましょう。
①「耳がこもった感じ」「耳が詰まった感じ」
初期症状には耳が聞こえにくいというより、こもった感じや詰まった感じが
生じる可能性があり、これは低音が聞き取りづらくなることででる症状で、
耳がボーッとしたり、音がくぐもって聞こえると表現する方も。
②「聞こえがおかしい」「音が響く、割れて聞こえる」
聞こえにくくなるだけでなく、音が響くような感じや割れて聞こえるなど、
異常な聞こえ方になる事があります。
③「ふらふらする」「めまいがする」
発症前後に強いめまいを感じる方がいらっしゃいます。めまいは突発性難聴を
発症した方の40%にみられる症状です。めまい自体は短時間で終わり、
繰り返すことはないようです。グルグルするめまい・ふわふわするめまいの
どちらも起こりえます。
④「耳鳴りがする」
耳鳴りは聴力低下にともなって生じるケースが多いです。聴力低下が軽い場合、
難聴を自覚せず耳鳴りだけを感じることがあります。
※初期症状のあと、数日経過してからガクッと大きく聴力低下する可能性があり、
治療が有効なのは発症から最長14日以内です。初期症状を見逃して、その後に
ガクッと聴力が低下すると、病院で治療を始めるのが遅くなります。
初期症状を見逃さないようにしましょう。
突発性難聴の原因とは?
突発性難聴の原因はまだ解明されていません。今でも研究者の間で
議論が続いています。ここでは、有力な説を5つ紹介します。
・ウィルス説:ウィルス感染により突発性難聴になってしまうのではないかという説
・内耳循環障害説:耳の中の血管が何らかの理由でキズつき音を感じ取る
細胞がダメージを受けてしまうという説。
・フリーラジカル説:体内の抗酸化力が低下すると、活性酸素が過剰に増加し
音を感じ取る細胞にダメージを与えてしまう説。
・ストレスレスポンス説:ストレスを感じると特定のたんぱく質が活性化し
炎症を引き起こす物質を発現し、その影響で難聴が生じる説。
・ストレス説:心理的なストレスや 過労などにより免疫が低下し、
上記の原因が発症するのではないかという説。
突発性難聴の治療方法は?
突発性難聴の治療法は”安静にすること”と”薬の投与”の二つが主流。
一般的に最初にステロイドが使用されることが多いようです。
突発性難聴は発症してから一週間以内にステロイドなどの治療を開始すれば、
40%は完治すると言われています。しかし、50%の方は改善しつつも
元通りにはならず難聴が残ってしまい、残りの10%ほどは、
治療の効果がみられないようです。
いかがでしたか。
突発性難聴は早期発見早期治療がとても大事です。
片耳にしか発生しないため、気づきにくいのもありますが、
少しでも気になったら、すぐに耳鼻咽喉科へ行きましょう。
それではまた次回。