こんにちは。
岐阜県羽島市の三愛の山村です。
前回の記事からの続きになります。
その1はこちらから↓
【③衝撃によるトラブル】
前回も書きましたが、機械式時計は精密な金属パーツが
ぎっしりと繊細に詰まった精密機器です。強い衝撃に弱いです。
強くぶつけたり、落としたりすると内部機構にも大きく影響がでます。
症状として多いのは、ゼンマイ部分が外れたり、天真といった
非常に細い軸の部品が折れてしまったり。また強い振動も厳禁。
時計をつけて、ゴルフや野球などのスポーツをするだけでも
時計に大きな負荷がかかってしまっています。最悪の場合
転んで手をついただけで時計は地面にぶつからなかったとしても
振動の衝撃で部品のかみ合いが外れたり、針落ちしたり…。
表面上に傷がなくても内部に影響が出ていることが多々ありますので
この点は理解してほしい所です。
【④カレンダー操作】
カレンダー機能付きの機械式時計には操作禁止時間帯と呼ばれる、
日付を変更してはいけない時間帯があるのをご存じでしょうか。
具体的には夜の20時から翌朝の4時までは禁止時間帯となります。
時計の針がその時間帯を表示している間は、歯車が日付表示を
買える体制に入っているため、無理に竜頭を回して日付を変更すると
歯車が欠けるなどして故障の原因になる事も…。夜から早朝にかけて
は竜頭をさわらないようにするのが吉。
竜頭操作関係で禁止事項として、時刻合わせの際の針の逆走があります。
時刻を範時計周りに回してしまうと、部品の劣化や欠けを起こすことも。
少しくらいであれば大丈夫との意見もありますが、
時計を操作する際は時計周りに針を動かしましょう。
【⑤ゼンマイの巻き上げ】
時計が動かなくなったら手で竜頭を回しゼンマイを巻く。そんな手間が
機械式時計の魅力です。最近は自動巻(オートマチック)が増えたため
手首にはめていればゼンマイが自動で巻かれていく…と思われている
方もいらっしゃると思いますが、実は手の振りだけでは不十分な事が
多々あります。できれば腕に装着する前に竜頭を回ししっかりゼンマイが
巻かれている状態をつくってあげてください。また自動巻ではない
手巻きの機械式時計の場合は「巻き止まり」がありますので、それ以上
巻こうとしてゼンマイを切ってしまう事も…。巻き止まり以上に
ゼンマイを巻かないよう注意しましょう。
時計が動かなくなり手でゼンマイを巻き上げても軽くて手ごたえがない
という場合はゼンマイが切れている可能性が高いです。
ゼンマイ切れのサインとして、時計を手にもって少し時計を振ると、
秒針が数秒進んだ後、数秒逆転するという特異な現象が起こります。
ただ多くの場合ゼンマイは古い新しいに関係なく、金属疲労により、
突然ゼンマイ切れを起こすことがあります。ゼンマイは消耗品です。
もしゼンマイ切れが起こった場合は修理に出しましょう。
【まとめ】
精密機械であり工芸品である機械式時計はその特性上壊れやすいです。
衝撃や水、磁気など気を付けなくてはいけないことが多々ありますが、
ただ機械式時計は、電子部品を使わないので
「大事に扱えば末永く時を刻んでくれる」という魅力もあります。
各部品の摩耗や注油の都合で定期的なオーバーホールを必要としますが、
職人が丁寧に分解・洗浄を行うことで、永続的な稼働を期待できます。
大切に扱うことで親から子へ、子から孫へと何世代にもわたって
受け継ぐことができますので、5つのポイントに注意してぜひ
機械式時計の魅力を堪能してください。
それではまた次回。