三愛では、メガネ、補聴器、時計、宝飾を扱っております。 眼鏡作製技能士および認定補聴器技能者がお客様の快適生活をサポートします。

Blog

2025.11.13 | 時計 | その他

高級機械時計ほど繊細!寿命を延ばす保管方法と注意点

皆様、こんにちは。

岐阜県羽島市の三愛の山村です。

高級時計は高価ですが、「高いから壊れにくい」のではなく、

むしろ高いからこそ、しっかり扱わないとちょっとしたことで

歯車が崩れてしまうデリケートな存在です

高級自動巻き時計の最大の魅力は、世代を超えて受け継ぐことができるという点であり

そのためにも日々の取り扱いと保管方法が非常に重要となります。

適切な保管は、時計の寿命を2年や3年と大きく変える可能性があるとも言われています

オーバーホール(分解掃除)に出さずに済むような保管方法が大切です

今回は、大切な機械式時計を長く使うための、正しい保管方法と日常の注意点について徹底解説します

——————————————————————————–

1.正しい保管方法

残念ながら、「これをすれば永久的にメンテナンスが不要になる」という保管方法は存在しません

お持ちの時計のモデルや本数によって最適な保管方法は変わってきます

(1) ちゃんと置く(ポイ捨てしない)

最も基本的なことは、帰宅後などに時計を「ポイッ」と投げ出さないことです

裏蓋やバックル部分に傷がつくのを防ぐため、

置く際は裏蓋とバックルがぶつからないように配慮しましょう。ただ、パテック フィリップのように、

リューズ側を下にして置くことを推奨しているという面白い噂もあります

これは、リューズは傷がついても交換できるためだといわれています

ただし、リューズへの衝撃で内部構造が壊れないか心配な場合は、

リューズと反対側を下にして置くのが安心です

(2) ケースやクッションに保管する

時計を1本しかお持ちでない方は毎日使うと思いますが、

普段から専用のクッションやケースに保管することが望ましいです

床に直接置くよりも、こういったケースを買って、寝る前に置くといった習慣が大切です

ケースに保管する際は、外で着用して付着した皮脂や汚れを必ず布で拭き取ってから保管することをお勧めします

拭かずに保管すると、クッション自体も汚れてきてしまうためです

旅行などで数本持ち運ぶ際も、トラベルケースを利用すると安心です

(3) ワインディングマシンを活用する

何本か時計をお持ちの方は、ワインディングマシンでの保管も選択肢に入ります

ワインディングマシンが特におすすめの時計: パーペチュアルカレンダーなどの複雑機構を搭載した時計です

これらの複雑機構は閏年まで判断し調整する非常にすごい機能を持っているため

一度止まってカレンダーがずれてしまうと、再度調整するのに普通の時計よりもかなり手間がかかってしまいます

時間を止めずに自動巻きを機能させておくために、ワインディングマシンが有効です

——————————————————————————–

2.日常の取り扱い上の注意点

保管方法だけでなく、普段の使い方にも寿命を延ばすための重要なポイントがあります

(1) 衝撃・振動を避ける

時計の寿命を考える上で、最も意識すべきは「衝撃」や「振動」です

ブレスレットの緩みに注意: ブレスレットが緩い状態だと、着用中に時計が揺れてしまい、

これが細かい振動となって内部のローターに圧力がかかってしまうことがあります

極力、ぴったりとしたサイズで駒調整していただくことが推奨されます

特定の乗り物やスポーツでの使用を避ける: バイクや自転車(特に縁石を乗り上げる際)での激しい振動は、

時計に負担をかけますので、外した方が良いでしょう

また、テニスやゴルフといったインパクトの伴うスポーツの際も、極力外すことをお勧めします

(2) 磁気の影響を避ける

現代社会では、携帯電話、パソコン、テレビ、電子レンジなど、磁気を発生させているものが多く存在します

時計の内部は鉄でできていることが多いため、これらの機器の近くに長時間置いておくと、

磁気の影響を受けて精度がずれたり時には完全に止まってしまったりすることがあります

高級時計になればなるほど精密なので影響を受けやすいため

これらの機器の近くには長時間置かないように注意しましょう

(3) 日付調整の禁止時間帯を避ける

デイト機能が付いている時計には、カレンダーを操作してはいけない「禁止時間帯」が存在します

これは、ムーブメントの中で日付を切り替えるための歯車が関わり合っているためです

禁止時間帯に操作すると、歯車に負担がかかり、故障やズレの原因となります

一般的な禁止時間帯: 12時を境に前後4時間(午後8時から午前4時)とされています

注意点: モデルによっては午前0時から午前6時までを禁止しているものもあります

止まってしまった時計の日付や時間を調整する際は、この時間帯を避けて行うようにしましょう

——————————————————————————–

まとめ

長期間動かしていないと油が固まるのではないかと心配される方もいますが

最近の油は非常に優れており、現行モデルに関してはその心配はあまりありません

昔のモデルでも、現行の油でオーバーホールされているものが多いので、

そういった心配はせずに大丈夫だろうと考えられます

時計を長く、美しく保つためには、衝撃、磁気、そして時間調整のタイミングに配慮することが重要です

日々の丁寧な取り扱いを意識し、大切な高級時計と長く向き合っていきましょう