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2025.09.22 | 補聴器

知っておきたい聴覚測定:補聴器購入前に受けるべき3つの測定

こんにちは。

岐阜県羽島市の認定補聴器技能者の山村です。

補聴器の購入を検討している方にとって、適切な補聴器を選ぶためには、

ご自身の聴力状態を正確に把握することが不可欠です。

闇雲に補聴器を購入してしまうと、効果が得られなかったり、

無駄な出費になったりする可能性があります

補聴器を購入する前に、ぜひ受けておくべき3つの聴覚検査をご紹介します

1. 気導聴力検査(きどうちょうりょくけんさ)

これは、ヘッドホンを使って音を聞き、聞こえたら合図をする、最も基本的な聴覚検査です

わかること:

そもそも補聴器が必要かどうか: 難聴があっても、補聴器を装用するほどではない聴力レベルの場合もあります

どちらの耳に補聴器を装用すべきか: 左右の聴力に差がある場合、効果を実感しやすい耳とそうでない耳があります

耳栓の形: 聴力レベルによっては、耳栓の形が合わないと長時間補聴器を快適に使用できないことがあります

この検査は最低限必要な検査であり、これを受けずに補聴器を使用している場合は注意が必要です

2. 骨導聴力検査(こつどうちょうりょくけんさ)

この検査は、頭蓋骨を振動させて直接内耳に音を伝えることで聴力を測定します

気導聴力検査と併せて行われることが多いです

わかること:

治る難聴か、治らない難聴か: 骨導聴力と気導聴力の差を見ることで、

治療によって聴力が改善する可能性があるかどうかを判断できます。

もし治る難聴であれば、手術などで聴力が回復し、補聴器が不要になるかもしれません

補聴器をつけてはいけない耳: 耳に炎症がある場合(耳垂れなど)、

補聴器を装用すると炎症が悪化する可能性があります。

このような場合は、まず耳の治療を優先すべきです

3. 語音聴力検査(ごおんちょうりょくけんさ)/語音弁別検査(ごおんべんべつけんさ)

これは、ヘッドホンから流れる言葉を聞き取り、復唱する検査で、言葉の聞き取り能力を調べます

わかること:

補聴器の効果の限界: 補聴器は音を大きくする機能が主であり、言葉を「はっきりくっきり」聞こえさせる万能なものではありません

この検査結果は、補聴器を装用した際に、どの程度言葉の聞き取りが改善するかの目安となり、

購入後の「こんなものか」というギャップを防ぐのに役立ちます

これらの検査を事前に受けておくことで、ご自身の聴力状態を正確に理解し、補聴器購入の失敗や無駄な出費を避けることができます

理想は聴覚を専門とする耳鼻咽喉科で受診することですが、

それが難しい場合でも、せめてこれらの検査を受けてから補聴器を検討することをお勧めします

まとめ

補聴器は単に「音を大きくする道具」ではなく、使う人の聴力状態に応じて効果が大きく左右される医療機器です。

だからこそ、購入前に適切な検査を受けて、自分に本当に合った補聴器を選ぶことが大切です。

今回ご紹介した3つの検査を受けることで、ご自身の聴力の特徴や補聴器の効果をあらかじめ把握でき、

納得のいく補聴器選びにつながります。焦らず、正しい知識と検査結果をもとに、最適な選択をしましょう。