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2025.08.17 | 補聴器

身近に潜む難聴のリスク:ヘッドホン・イヤホン難聴と加齢性難聴

こんにちは。

岐阜県羽島市の認定補聴器技能者の山村です。

私たちの日常生活には、気づかないうちに聴力を損なう可能性のある習慣や、

避けられない身体の変化が潜んでいます。

特に注意すべきは、若年層に増えている「ヘッドホン・イヤホン難聴」と、

多くの高齢者が直面する「加齢性難聴」です。

ヘッドホン・イヤホン難聴 これは、ヘッドホンやイヤホンを使って長時間、

大きな音量で音楽やゲームの音を聞き続けることで起こる難聴です

WHO(世界保健機関)の調査によると、全世界で約11億人もの若者がこの難聴の予備軍とされています

症状と特徴

 徐々に聞こえが悪くなるため、早期の自覚が難しいのが特徴です。

初期症状としては、「耳が詰まった感じ(自閉感)」や「耳鳴り」が見られることがあります

主に両耳に起こることが多く、両耳が悪くなるため、左右の比較ができず気づきにくい傾向があります

原因

 内耳にある「有毛細胞」が損傷を受けることで発生します

85dB以上の音(自動車の騒音レベルに相当)を長時間聞き続けると、

有毛細胞が徐々に壊れていくと言われています

WHOは、週に80dBの音を40時間以上、または98dBの音をわずか75分聞くだけで、

難聴のリスクが大幅に上がると警告しています

治療と予防

 一度壊れた有毛細胞は、現在の医学的・科学的技術では元に戻すことができないため、

治療法は存在しません。そのため、予防が非常に重要です。

予防策としては、「大きな音を聞かない」ことと「聞き続けない」ことが挙げられます。

イヤホン・ヘッドホンの音量は、周囲の音が聞こえる程度に抑えるのが良いでしょう

加齢性難聴 加齢性難聴は、その名の通り、加齢によって引き起こされる難聴です

これは、病気や特殊な要因がない限り、年齢を重ねることで避けられない聴力低下です

症状と特徴

 低い音よりも高い音から聞き取りが悪くなるのが特徴です

体温計の終了音や電子レンジのチンという音、家の呼び出し音などが聞こえにくくなることから始まります

音は聞こえるものの、言葉が聞き取れない「聞き間違い」が多くなるのも大きな特徴です

脳の慣れ

 加齢性難聴は突然起こるのではなく、50歳頃から徐々に進行すると言われています

そのため、脳が聞こえの悪さに慣れてしまい、本人が難聴を自覚しにくいことがあります

周囲の家族の方が先に難聴に気づくケースも少なくありません

予防

 加齢による聴力低下そのものを止めることはできませんが、その進行を遅らせることは可能です

耳を酷使しないこと、例えばテレビやラジオを大音量で聞くのを避けるなどが挙げられます

補聴器の早期使用も、脳を活性化させ、認知症との関連においても重要視されています

まとめ

私たちの聴力は、日常生活の中で知らず知らずのうちに損なわれることがあります。

特に若年層では、長時間・大音量のイヤホン使用による「ヘッドホン・イヤホン難聴」が問題となっており、

早期の自覚が難しいため注意が必要です。一方、高齢者には「加齢性難聴」が多く見られ、

音は聞こえても言葉が聞き取りにくくなるのが特徴です。いずれも治療が難しいため、予防が何より大切です。

日頃から音量を控えることや、補聴器の早期使用などで聴力の健康を守る意識を持ちましょう。